アンチエイジングについて

Tweet

Pocket

アンチエイジングとは、加齢による身体の機能的な衰え（老化）を可能な限り小さくすること、言い換えると「いつまでも若々しく」ありたいとの願いを叶えることです。 ただし実際の年齢に逆らうことは出来ませんので、その意味としては「抗老化」となります。

今回のテーマは僕にとってはとても悩ましい内容だった。でもなるべく一番関心のある事から順番に書きたいと思っているので、気持ちを整理する上でも書いてみる事にした。

一般的には男女問わず、人は実年齢より若く見られたいと思っている。気にしない人もいるだろうが、少なくとも老けて見られるのを喜ぶ人はいないはずだ。僕だってそうだ。

だからそれなりに努力をしている。白髪が増えてきたのでカラーリンスで定期的に髪を染めている。風呂上がりに保湿クリームは必ず塗るし、DHAや乳酸菌のサプリも飲んでいる。ジムに行ったり食事制限もしてお腹が出ないように気をつけてもいる。もちろんこれは健康のためでもあるけど。

昨今は、男性でも整形や増毛や脱毛をする人が増え、違和感がなくなりつつある。僕はそこまではしていないが、気持ちは解るので否定は出来ない。ただ、それでも実年齢が若返る訳ではない。記憶力も体力も落ちてくるし老眼にもなる。お金と労力を使ってでもアンチエイジングをするべきなのだろうか。

ところで最近、よく話題になるのがサザエさんのお父さん、磯野波平さんの年齢だ。設定が54才という事だったが見た目年齢だと、とっくに70才は超えているように見える。芸能人でいうと大沢たかおさん、江口洋介さん織田裕二さん、福山雅治さんなどが同世代になるが、まるで違う。芸能人と一般人では当然差はあるかもしれないが、これほどまでに年齢イメージのギャップが生まれてきた事には驚愕した。人生100年時代というのも、少し信憑性を感じられるようになってきた。

ただそのせいか現代の年相応の基準というものが解らなくなってきた。普段、どんな服を着て、どんな話し方をしてどのように振る舞うべきなのか。個人的には、そういう感覚が40才くらいで止まってしまい、その先が解らなくなってきている気がする。年齢なんか気にせず自分の好きな服を着て、自由に振る舞えば良いのかもしれない。今もそうしているが、少しづつ違和感は出てきている。果たして何才までこのままのライフスタイルで生きていけるんだろうかと不安にはなる。

話は変わるけど、アンチエイジングの事を考えていたら鬼滅の刃で、煉獄杏寿郎さんが鬼にならないかと上弦の鬼の猗窩座(あかざ)に誘われたとき、
「老いる事も死ぬ事も人間という儚い生き物の美しさだ 。」
と言っていた事を思い出した。所詮はアニメの中のセリフ。フィクションだしデフォルメもされているだろうと軽視することもできたかもしれないが、僕にはガツンと響いた言葉だった。

その時にふと思った事は「アンチエイジングって諦めが悪くないか？」と言うことだ。

本来は年を重ねて老化していく事を素直に受け入れていくべきなのだろう。人の目を気にせず、当たり前の事として。それが自然に出来ている人もいるだろう。地方で農作業をしているご年配の方々などはそうかもしれない。化粧もせず日焼けも気にしないで、おそらく年相応というものすら意識せず生活をされている気がする。本当のところは解らないが、もしそうだとしたらそれは羨ましいことだ。

また、母の死を通して感じた事がある。元々ふっくらとして溌剌としていた母が徐々に痩せこけて骨と皮だけになって死んで行く様を間近でみていた。人間というのは結局はこうやって死んでいくんだなという事をリアルに感じた。

ただその母もお見舞いに行ったときにはウィッグを枕元に置き決して手放さず、危篤状態になるまでは必ず被っていた。また写真を撮られるのを極端に嫌がっていた。きっと自分の年老いた姿を見るのが嫌だったのだろう。母もやっぱり最後まで若くみられたいと思っていたに違いない。

ふと母にアンチエイジングについて聞いたら何て言うだろうかと考えたが、きっと
「せいぜい若い子におじさんて言われないように、頑張りなさいよ！」
って軽く笑い飛ばされるんじゃないかなと思った。

いつも感情が揺れ動いている。悪あがきしてアンチエイジングを続けるべきなのか？無理に抵抗はせず、自然に老化していく事を受け入れるべきなのか。でも理性は「自然のまま受け入れるべきだ」、感情は「老化には抵抗するべきだ」と言い合って葛藤し続けているから、この問いに答えは出せない。

ただ、今は感情に素直に従う事が一番自分にとっては自然な状態なんじゃないかなと思うようになった。結局、それが自分にとって一番ストレスがないからだ。だからいつの日かもう十分と思える日が来るまで、自分なりのアンチエイジングをささやかに続けることにした。Let It Be 、なすがままに。

※アンケート調査結果(首都圏在住の30～59歳までの男女対象)
アンケート調査では実年齢よりも若く見られたいと回答した人は男性が55.4％、女性77.3％。女性は実年齢よりも平均で「－4.8歳」と回答。男性はこれより少なく平均で「－3.5歳」若く見られたいという結果になったそうです。