小説 | ページ 6 | ねじまき柴犬のドッグブレス

小説

2023年

ハートに火を点けて 11 20XX/X/X サキ再び

・20XX/X/X気がつくと目の前には青空が広がり、誰かが寝転がっている僕の顔をのぞき込んでいた。「遅くなってごめん、ラクダ。ここの、セキュリティが、超厳しくなってて、な、なかなか来られなかったんだ。」僕は驚いて飛び起きた。逆光になり初めは...
2023年

ハートに火を点けて 10 2030/2/8 絶望

・2030年2月8日(金)それからの2週間は、監禁され一歩も部屋から出る事を許されなかった。実際にされた事はなかったが、留置所に拘留されると、こういう気持ちになるのではないかと思った。食事は1日に3回、虚ろな目つきをしたベルボーイの青年が、...
2023年

ハートに火を点けて 9 2030/1/26 狂気

・2030年1月26日(土)翌日早々に、僕は至急キドに会いたいので連絡を取って欲しいとフロントに伝えた。フロントの女性からは、いつもようにとても感じの良い笑顔で「スケジュールを確認しますので部屋でお待ちください。」と言われた。キドは午後にな...
2023年

ハートに火を点けて 8 20XX/X/X 人生の夕暮れ

・20XX年X月X日(?)その日、僕は久しぶりにサキの夢を見た。いや本当に夢だったのだろうか?今となっては自信がない。再び僕は大学の屋上いた。この前の夢の続きのようにも思えたが、屋上には以前の寂れた雰囲気はなく床や手すりが綺麗に舗装されてい...
2023年

ハートに火を点けて 6 2030/1/22 喫煙ライフ

・2030年1月22日(火)この施設に来てから早くも10日余りが過ぎた。キドの言った通り、ここでの生活に一切不自由は無かった。まず建物内の食堂では無料で食事ができた。朝食はバイキング形式、昼夜は日替わりメニューで種類はそれほど多くなかったが...
2023年

ハートに火を点けて 5 2030/1/10 PM 転機

・2030年1月10日(木) PM建物の中に入ると、すぐにフロントらしきものがあり、ベルボーイのような人間が待機をしていた。僕と男が入るとみな無言でお辞儀をした。まるで高級なビジネスホテルのような雰囲気だったが歓迎のような言葉は無かったので...
2023年

ハートに火を点けて 4 2030/1/10 フレディ

・2030年1月10日(木)解雇通知を受けてから3日後に僕は失業給付金の申請のため、地元のハローワークまで行った。コロナ渦が収束し世界経済もようやく回復の兆しが見え始めてはいたが、ハローワークは相変わらず大勢の求職者達であふれ、カオスのよう...
2023年

ハートに火を点けて 3 2015年 秋 サキ

・2015年 秋解雇通知を受けた日の夜、僕がまだ大学に通っていた頃の夢を見た。かれこれ15年も前の事になる。僕は授業をサボって屋上でiPhoneで音楽を聴きながら煙草を吸っていた。仰向けに寝そべって吸いながら煙を吐くと、青空と煙が重なってと...
2023年

ピース(断片)を探して(最終章)

「うーん、口で説明するのはなかなか難しいわね...。できるかどうかわからないけど試してみるわ。」そう言ってから、彼女は軽く深呼吸をしてゆっくりと僕の手に自分の手を重ねた。小さいけれどとても柔らかく、温かい手が僕の手を包んだ。そして目をつぶっ...
2023年

ピース(断片)を探して(中編2)

乗降客の多い駅に着いたとき、たくさんの人が移動する音とドアから入ってきた寒気で、突然、僕は半覚醒状態から目覚めさせられた。自分が何処にいて何をしていたのか分からなくなっていた。なんとか意識を現実になじませようと、手を何度か開いたり閉じたりし...
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