昨日、松本零士さんがお亡くなりになった。テレビの報道番組で松本零士さんが反戦をテーマにして漫画やアニメーションを制作されていたような解説をしていたが、何かピントがずれている気がした。今の風潮に合わせたのだろうか?きっとロシアとウクライナの戦争がなければ全く違う報道をしていただろう。
例えば、松本零士さんの代表作の一つである銀河鉄道999は平和への願いを込めた映画ではないと思う。テーマは見る人により様々だけど、宇宙という未知の世界に対する憧れや機械の体と永遠の命をほしがる人間の業、鉄郎のメーテルへの思いや少年の日の憧れ。今の時代にもある格差にも触れているし、自由を勝ち取るためには戦わなければならないというメッセージだって込められていたと思う。
実際に鉄郎とハーロックが機械伯爵と戦っていたときはわくわくしてみていた。ハーロックは平和とか正義とか云々ではなく、自分の信じたものに対して戦っていただけで、ハーロックの言葉を借りて言えば、「俺の信じた旗の下に生きる」だ。これは最高にかっこいい。フィクションだからこそ戦闘シーンにも感動することができる。
松本零士さんがお父様やご自身の体験から戦争がいかに悲惨で愚かな行為かということを感じていたのは真実だろうけど、拡大解釈をして一面だけにクローズアップして伝えられていたことはすごく残念なことだった。影響力のある報道番組で放送をしたことで、銀河鉄道999を知らない世代の人に反戦のメッセージだけがこめられた映画と思われてしまうような気がした。生きるための勇気やロマンを与えてくれるアニメーションを制作されていた方だった事をもっと忠実に伝えて欲しかったと思う。
最後に様々な作品から感動をいただき、私の少年時代を彩ってくださった偉大なる漫画家、松本零士さんのご冥福をお祈り致します。
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