最近、残業が多くてなかなか平日は時間が取れなくなってきた。休日には部屋の掃除をしてジムに行き、定期的に色々な医者に診察や薬をもらいにいく。そして月一で実家の片付けに行き、カラオケにも行くと、ほぼ週末の予定が埋まる。隙間時間にブログのネタを仕込んだりすると、ほとんど外出する時間はない。
そのせいか例年、花見に行っていたのだが今年は行く気がしない。一緒に行く相手がいないという事もあるが、同じ事を同じように繰り返していく、楽しくない事はないがデジャビューのようだ。正直、段々と飽きてきたのかもしれない。
ところで花見に行くのに気が進まない自分の事を考えているうちに、ふと亡くなった父の言葉を思い出した。直接聞いた訳ではなく母から聞かされた話だけど、僕がまだ生まれる前に仕事で家族ともども伊豆の社宅に住んでいた事があり、母が見所がたくさんあるので休日に出かけようと誘ったところ
「外に出かけてもつまらないよ。景色が良いだけだよ。」
と言っていたらしい。母はその事を僕や兄に繰り返し愚痴っていたのですっかり覚えてしまった。
その話を聞いた時は、僕もまだ若かったし海外旅行に割と行っている時期だったせいか正直あきれた。遊び心というものが欠けているんじゃないかと。仕事人間だった父は、若い頃は趣味らしい趣味をもたず週末は接待ゴルフに行くか、資格を取るための勉強の時間に充てていたらしい。だから確かに子供の頃に行った旅行で父が一緒にいた記憶がほとんどない。
でもふと思った事は、あれ、最近、俺は親父に似てきていないか?という事。
「外に出かけてもつまらないよ。景色が良いだけだよ。」
この一言は僕の今の心境に妙にあてはまる。
今の仕事がそれほど好きなわけではないが、暇すぎるよりは忙しい方がいい。自分のイメージ通りに作業が出来た時は当然達成感もある。ブログも同様で、自分なりに良い文章が書けたなと思うと嬉しい。カラオケもジムも結局は何かやり遂げたっていう充実感があるから楽しいのだろう。
でも花見や旅行に行ってそれを感じられるだろうかというと、それはない。当然、花見に達成感を求めて行く人なんかいないだろう。根本的にそういうものではない。
そう考えると僕は、段々とリラックスして何かを楽しむ事ができない人間になってきたんじゃなんじゃないかと思ってしまう。面倒くさがりで怠け者体質だと思っていたのに、実は自分自身をよく知らなかった。年を取って、色んなものがそぎ落とされて自分の本質みたいな物が見えてきたのだろうか?だから今は父の言葉に共感してしまうのかもしれない。
また話は変わるけど、昨日、「鬼滅の刃 遊郭編」をテレビで見た。最後に音柱の宇随天元が
「これからはド派手にいくぜ!」
と言っているのが格好良くて羨ましかった。
アニメ自体も面白かったし、主題歌の「残響散歌」もすごく良かった。紅白でも見ていたけど、リアルにアニメのシーンとともに聞くとインパクトが全然違った。変な話だけどアニメを見てまだ自分は感動できるんだと思うと少し安心した。それで僕もやや自虐的に
「これからは地道にいくぜ!」
と言ってみた。
少し寂しい気もするけど、花見はまた、行きたくなったら行けばいい。結局は今思ったまま、感じたままにやりたい事をやっていればいいのだろう。
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