「仕事というのは、社会に空いた穴です。道に穴が開いていた。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんて、ふざけた事を考えるんじゃない、と言いたくなります。」
「超バカの壁」養老孟司著 新潮新書
昭和の頑固親父である、養老孟司先生は仕事とは穴を埋める事だと仰っていた。昭和生まれの僕は全面的ではないにしろ、割と素直にその考え方を受け入れられた。仕事の内容なんて大差は無い。もちろん向き不向きはあるだろうが、好き嫌いでやるものでは無い気がした、ただ目の前に穴が空いているから、それを埋めていく。その穴を埋めてることで、自分が何かの役に立っていると少しでも感じられればいいんじゃないかと。
でも例えば、僕が平成生まれの若者だったらどう思っただろう?働くこと自体が生活の手段としか考えていなかったり、それ以前に非正規雇用だったりニートだったりして、生きていくこと自体がままならない生活環境だったら、その考え方を素直に受け入れられただろうか?
そんな無意味な事はしたくない。そもそも何が面白いんだそれ?コスパ悪くねーか?バカじゃね?とまぁ色々な事を思うかもしれないし、それは全く次元の違う話だと言うかもしれない。
そしてその気持ちは感覚的に僕には解らないかもしれない。でも解らなくても想像することはできる。想像しなければ何も始まらないし、きっと永遠に距離を縮めることすらできない。乏しい想像力を絞り出して小説を書いてみて改めて思った。想像力ってこういう事にも使うべきなんじゃないかと。
それからこの文章を書いていて、ふとジョン・レノンのイマジンを思い出した。きっと根っこにあるものは同じなんだろうと思っている。ちょっとジョンとはスケールは違いすぎるけど。
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