2025年 犬のかたちをした記憶-第一章:存在平面の入口- 目を覚ました場所は、色も音も感情もない世界。ただ一枚の学生証だけが、自分が「高志」であることを告げていた。不安と孤独に包まれる中、出会ったのは、あっけらかんと笑う一人の少女。記憶のない男と、謎めいた少女の、切なくも温かい「存在」を巡る物語。 2025.03.30 2025年小説
2025年 ピース(断片)を探して(中編2+最終章) 乗降客の多い駅で目覚めたタダノが出会ったのは、不思議な言葉と優しさを持つオカダだった。心理学の本を読みながら語りかけてくる彼女と、過去の記憶と繋がる瞬間。粉雪の降る街で、孤独と温かさ、心の欠片が繋がるひとときを描いた感動の短編小説。 2025.03.23 2025年小説
2025年 ハートに火を灯けて-2017年 秋 サキ- 大学の講義をサボって屋上で過ごす主人公と、真面目な彼女・サキとの切なく美しい日々。煙草の煙、秋の陽射し、そして約束を破った夜の別れ——スタジオジブリ風の世界観で描く、心に残る青春の物語。 2025.03.20 2025年小説
2024年 王妃のための失われた王国19-エピローグ- 王妃の物語が完成してから、季節は瞬く間に過ぎていった。新しい年を迎え、母の1周忌も無事に終わり、僕の中で母に対して抱えていた様々な想いは徐々に薄れていった。母の事を考える時間は減り、家族の間でも話題に... 2024.01.28 2024年小説
2024年 王妃のための失われた王国18-母の死と融和- 母が危篤になったと兄から電話があったのは、お正月休みが過ぎてすぐのことだった。僕は、ちょうど会社に行く準備をしている所だった。「シュン、いよいよあの人が危ないそうだ。すぐ来られるか?」「ああ、ちょうど... 2024.01.14 2024年小説
2024年 王妃のための失われた王国17-復興、そして同窓会- 王妃が国政に復帰してから、また数年が過ぎた。王妃は今では皇太后と呼ばれるようになっていた。皇太后はかつての経験と持ち前の行動力で手腕を発揮して、国王ヒソップをサポートして様々な問題点をクリアしていった... 2024.01.08 2024年小説
2024年 王妃のための失われた王国16-親子の和解- 母が聞きたかった曲は、思った通り島倉千代子の「この世の花」だった。母は僕がカセットテープを持って行くと、毎日のように聞くようになった。兄が気を利かせダビングをして、その曲だけが何度も繰り返されるテープ... 2024.01.06 2024年小説
2024年 王妃のための失われた王国15-この世の花- 王妃の物語を再び書き始めてから、アリゼが頻繁に夢に出てくるようになった。彼はいつも夢の中で「シュン、僕の母様はいつになったら幸せになるんだい?約束が違うじゃないか。」そう言っていた。そのたびに僕は「こ... 2024.01.01 2024年小説
2023年 王妃のための失われた王国14-君、僕を忘れようとも- タフラは島に帰ると、アリゼの家に行き事情を説明した。アリゼはタフラに礼を言い、プロムスから貰った桐の箱を受け取った。中身は気になったが、ネネの死を受け入れることで精一杯だったので、とりあえず開封はせず... 2023.12.30 2023年小説
2023年 王妃のための失われた王国13-旅の終結- 日が暮れてからアリゼはようやく砂浜から立ち上がることができた。家に帰るとクハニと呼ばれる島の神を司る者が、ネネのために読経を唱えているところだった。アリゼの顔を見るとバハリは無言で指を差し、座れと指示... 2023.12.23 2023年小説