金縛りの特徴と対処法
入眠時または睡眠からの覚醒時に、数秒から数分間、体幹と手足を自由に動かすことができなくなる現象です。 就寝するときに不安や恐怖を感じ、苦痛を生じる特徴があります。 睡眠麻痺は幻覚を合併することがあります。 日本では、金縛りという別名がありますが、心霊現象ではありません。
20代後半の頃、僕は一人暮らしをしていたのだけれど、ある日の夜のこと、なかなか寝付けなくて、気がついたら急に体が動かなくなる時があった。一瞬「あれっ」と思ったけど、当時はプールに行ったり、夜にジョギングしたりしていて、ちょっと運動しすぎた日は体が疲れて吊ってしまうような時があったので初めはそうだと思っていた。でもやがて「これはいつもと違うぞ」と思い始めた。まず、なんとなく人の手のひらのようなものが僕の心臓のあたりに乗っていて、軽く押さえつけられている感覚があった。そしてそのうちに親指から小指の指圧みたいなものまで感じとれるようになってきた。

こういうことは初めてだったので少し驚いたけど、僕もまだ若くて体力にも自信があり、好奇心も強かったので、そのうちに消えるだろうと思いタカをくくっていた。でも手のひらの押す力はどんどん強くなってきて、だんだん呼吸が苦しくなってきた。このままだと窒息するか心臓が止まるんじゃないかと思い、本気で焦り始めた。とりあえずこの「かなしばり」をなんとかしなきゃと、とにかく声を出そうと思った。そしたらこいつも逃げていくんじゃないかと。そして初めは全く声が出なかったけど体を捻ったり足をジタバタしようとしているうちに、「おぎゃー」とか「うりゃー」とかいう声がようやく出せるようになった。その瞬間に手のひらの感覚も「ふっと」消えた。
この現象が何だったのか考えてみたけど、精神状態に起因として発生したものとはちょっと違うものだったんじゃないかと思っている。引用したように定義上は心霊現象ではないようだけど、その手のひらには一種の感情のようなものが含まれているように思えた。悪意はないけど、無邪気で乱暴な何か、例えば子供がいたずらするときの残酷さのような感情があった気がする。それ以上はうまく説明はできない。でも心霊現象とも断言はできないので、今のところ判断は保留にしている。何しろ不思議な体験だった。

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