「NHK MUSIC SPECIAL 中島みゆき ~映像に命をふきこむ歌~」という番組を見た。チコちゃんが終わって、旅サラダを見ていたらあまり面白くなかったので何気なくNHKにチャンネルを戻したらやっていて思わず魅入ってしまった。曲目は「地上の星」「ヘッドライト・テールライト」「麦の唄」「空と君のあいだに」「銀の龍の背に乗って」などかつてのドラマやドキュメンタリー番組のなどの主題歌になっていたものだ。
心を鷲づかみにされた。今までは紅白で1曲聴いてみて、「ああ、良かったな。」と思うくらいだったがまとめてライブで見てみると圧倒されてしまった。MISIAの曲が胸に響く曲だとすると、みゆきさんの歌はお腹に響く曲だ。特に印象に残ったのはまずは「麦の歌」これは朝ドラの「マッサン」の主題歌になった曲だ。
麦に翼はなくても 歌に翼があるのなら
伝えておくれ故郷へ ここで生きていくと
麦は泣き 麦は咲き 明日へ育ってゆく
ドラマの主題歌のイメージで作成したのだろうけど、麦に翼はなくても、麦は泣きとかという詩がとても独創的なものに感じた。聴いていて、麦を温かく見守ってくれるような優しい陽光と、豊かな大地の持つ土の匂いがしてくるような気がした。そしてどんな苦境にあっても生き抜こうとする、いや生きて行けるんだという人間の本来持っている生命力を感じた。
それから「銀の龍の背に乗って」も印象に残っている。この歌は、「Dr.コトー診療所」というドラマの主題歌だ。この歌で響いた歌詞はサビじゃなかった。
急げ悲しみ 翼に変われ
急げ傷跡 羅針盤になれ
まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている
特に「急げ悲しみ」「急げ傷跡」っていうところに、トラウマや悲しみから早く抜け出して立ち直りたい、前を向きたいのに、同じ所に止まっている事しかできない葛藤や苛立ちがダイレクトに伝わってきた。
他の曲も含めて感じた事は、みゆきさんの歌は誰もが多かれ少なかれ持っている、普遍的な感情を力強く歌い上げているというものだ。特に人生の向かい風にあって、何もかも思い通りに行かない人、逆境に立たされている人に響く応援歌なんじゃないかなと思った。
今の日本の音楽シーンは良くも悪くもとても個人的になっている気がする。歌い方も耳当たりが良くて、テクニック的な話で言うとミドルボイスという裏声を混ぜたようなものが主流だ。捉え方によっては自分の世界観を特定の人にだけ解ってもらえばいいという印象があるので、みゆきさんみたいに地声でお腹に響くような歌い方をする人が少ない気がする。もちろんどちらが良いと言うわけではないんですが。
今日はNHKの夜ドラ、「VRおじさんの初恋」について緩い話を書くつもりだったんですがついつい、みゆきさんの歌を聴いて力が入っちゃいました。(^_^;)まぁ、ドラマもまだ終わってないんで見終わってから改めて書く事にします。
にほんブログ村
コメント